きのこ栽培の流れ
しいたけの栽培法は大きく2つに分類できます。
- 原木栽培
- 菌床(きんしょう)栽培
原木栽培は、生木に穴をあけ、種を植えて栽培する方法です。一般的に、しいたけの栽培というと、この原木栽培をイメージされる方が多いようです。
一方、菌床栽培とは、原木を細かく砕いてできるおが粉に、米ぬかやフスマなどの栄養源を加えてブロック状に成形した菌床に、種菌を植えて栽培する方法です。
菌床栽培では、空調を制御できる施設内で栽培するため、年間を通して安定的に出荷することができます。
培地原料の調製
右の写真が、しいたけ栽培の原料となるおが粉です。原木は四国山地(愛媛県の鬼北町や高知県の四万十市など)から切り出されたものを使用しています。
おが粉をミキサーに投入して、水を加えながらよく混合します。さらに、ふすまなどの栄養源も加えます。適切な水分含量となるように細心の注意を払いながら調整します。
菌床の製造
調整済みの培地原料をコンベア経由で栽培袋に投入しプレスします。こうして出来上がったものを菌床(きんしょう)と呼びます。
殺菌
適当な水分と栄養源を含む菌床は、きのこだけではなくカビや雑菌にとっても良好な培地です。もしも、この菌床にしいたけの種菌を植えたとしても、もともと菌床の中に含まれていた雑菌の方が増殖スピードが速いため、菌床は雑菌だらけになってしまいます。 そこで、しいたけを植える前に菌床を殺菌します。 上の写真は殺菌釜です。菌床をこの釜に入れ、温度を120℃にまで上げて2時間キープします。
植菌
殺菌を終えた後、菌床をクリーンルームに移動し、しいたけの種菌を植菌します。 菌床の上部に少し明るい色の塊が見えます。これが種菌です。この後、培養室へ移動します。
培養
しいたけの種菌を植えた菌床は、温度約20℃の培養室にて約3か月間培養します。
種菌を植えた直後の菌床です。しいたけの菌はまだ見えません。おが粉と栄養体そのものです。
種菌を植えてから約2週間後の様子です。白いしいたけの菌糸が下に向かって伸長していきます。
種菌を植えてから約1か月後の様子です。菌糸が菌床全体に拡がります。
さらに培養を続けると、菌床表面に部分的に塊が見られるようになります。そして、もともと白い菌糸の色が茶色へと変化してきます。
2か月後には菌床全面が茶色に変色します。
約90日で培養は終了です。震動や温度変化などの刺激が加われば、いつでもしいたけの芽が出てくる状態です。
発生
培養を終えた菌床を袋から取り出し、温度約20℃、湿度約80%で維持します。 袋から取り出して約3日後から芽が出始め、1週間後から収穫が始まります。
収穫・食卓にお届け
収穫した椎茸は一つ一つ丁寧に検品しながら、パックに詰めていきます。パック詰めされた椎茸は市場やスーパー、産直市場に出荷され、みなさまの食卓に届けられています。